ファッション関連映画

映画「ラ・ラ・ランド」ネタバレあり感想レポ 服好き目線から見る世界観の賛否と映画の見どころ

ファッションブログメディアGALLERIA代表の中馬さりの(@chuuuuuman)です。

少し前に、お友達のお家で映画「ラ・ラ・ランド」を見ました!

皆が素敵っていう映画ほど熱のこもった感想を聞いたり読んだりするうちに満足してしまって、なんとなく見るタイミングを逃しがち。

なのですが、見てみたら本当に素敵で「そりゃあ熱弁するわ!」って納得しました。映画の世界観や登場するファッションが本当に素敵で!

 

そこで今回は 服好きの目線からラ・ラ・ランドの感想と考察を記事にしました。

ラ・ラ・ランドのコスチュームデザイナー メアリー・ゾフレスが海外ファッション誌marie claireで話した「エマストーンから学ぶ5つの大切なファッションレッスン」もまとめたのでぜひ読んでみてください!

ラ・ラ・ランド作品情報

まずはラ・ラ・ランドを見ていない方のために、あらすじや登場人物をまとめておきます。

公式サイトの情報です!

※ 画像は公式twitterのつぶやきを借りる形で使用しています。

 

あらすじ

夢を叶えたい人々が集まる街、ロサンゼルス。
映画スタジオのカフェで働くミアは女優を目指していたが、何度オーディションを受けても落ちてばかり。

ある日、ミアは場末の店で、あるピアニストの演奏に魅せられる。
彼の名はセブ(セバスチャン)、いつか自分の店を持ち、大好きなジャズを思う存分演奏したいと願っていた。

やがて二人は恋におち、互いの夢を応援し合う。
しかし、セブが店の資金作りのために入ったバンドが成功したことから、二人の心はすれ違いはじめる……。

 

監督(デイミアン・チャゼル)

1985年、アメリカ ロードアイランド州生まれ。2014年、『セッション』がサンダンス映画祭でグランプリと観客賞のW受賞を果たしてたちまち注目される。
アカデミー賞®でも、作品賞や自身の脚色賞を含む5部門にノミネートされ、J・K・シモンズの助演男優賞を含む3部門で受賞する。その他にも膨大な数の賞を獲得し、世界各国でスーパーヒットを記録して一躍時の人となる。

 

キャラクター紹介

ストーリーでメインとなるのは2人!

ラ・ラ・ランドはミアとセブのラブストーリーです。

 

ミア(エマ・ストーン)

女優を目指し、日々オーディションに明け暮れるミア。今作のヒロインです。

ラ・ラ・ランドって、ふたりの将来に夢見る若者が恋に落ちるよくあるラブストーリーではあるんですよね。だからこそ、ヒロインの好感度がすごく重要だと思うんです。

ヒロインが訳のわからない行動をしがちだと続きを読む気力がなくなるっていうか。

その点、ミアはすごくまっすぐで可愛い。ちょっと破天荒ではあるんですけど、夢(自分の人生)にも恋(相手の人生)にも誠実な様子は素敵だなって思いました。

演じたのは『アメイジング・スパイダーマン』や『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でゴールデン・グローブ賞や英国アカデミー賞などにノミネートされたエマ・ストーンです。

 

セブ(ライアン・ゴズリング)

ミアの恋のお相手はこちらのセブ。

セブはジャズがすごく好きで音楽家になるのが夢。実際、彼の演奏は自他ともに認めるほど上手い。ただ時代においておかれぎみのジャズを愛していることや、芯の強い性格が災いして試行錯誤している感じ。

何か夢があって追いかけた人はすごくすごく感情移入してしまうキャラですね! まわりに何を言われても「やっぱりこれが好き」と諦められない気持ちや、「そろそろ大人にならなきゃ」と葛藤する場面はもう……。

演じたのはライアン・ゴズリング。『きみに読む物語』が世界的大ヒットを記録したり、『Half Nelson』でアカデミー賞にノミネートされたり、実力派の俳優さんです。

 

ネタバレ込み? 考察&感想

概要をお話し終わったところで、ここからは少しネタバレ込みで考察や感想をまとめていきます!

 

ミラのレトロ可愛い女優ファッション

ラ・ラ・ランドの記事をなぜ書こうと思ったかって、ストーリーはもちろんファッションも素敵だったからなんです。

ラ・ラ・ランドで出てくるのはとにかくカラフルでハッピーな印象のファッション達。シルエットはレトロなものが多くて、話の流れ的にもスマホが出てこなかったら過去の内容なのかなって錯覚しそうになるレベル。

新しいのと古いのをちょうどよくミックスさせた感じが本当に素敵。

 

色でキャラクター達の心情がかいま見れるのも良かったですね。

最初、ミアはロイヤルブルーとかレモンイエローみたいなパキッとした色味をたくさん着ています。女優になりたくて気乗りしないパーティーに日夜でかけたり憂鬱なバイトに行ったりして、攻撃態勢みたいな感じだったのかも。

 

セブにあってめくるめくラブストーリーが始まると、こってりとしたグリーンやパープルといったロマンス映画のヒロインみたいな服装が多くなります。

セブと結ばれて幸せな生活をしている時はペールブルーやマカロンピンクといった柔らかい色味が多くなります。シルエットも一気にガーリーになって、幸せなミアの気持ちが外見にダダ漏れてる感じ。

 

物語が終盤になってくると、これまでほぼ登場しなったモノトーンのワンピースやブラックのドレスを着るミア……。ストーリーを経て大人になったのファッションからも見てとれて服好きとしては涙をおさえずにはいられませんでした。

「大人になっちゃった」と言った方がいいのか、それとも「恋のおかげで大人になれた」と言った方がいいのか。

 

ラ・ラ・ランドコスチュームデザイナーが語る5つのファッションポイント

海外ファッション誌marie claireがコスチュームデザイナー メアリー・ゾフレスに取材。

5 important fashion lessons from Emma Stone in La La Land」という記事を出しています。

(訳すと、ララランドのエマストーンから学ぶ5つの大切なファッションレッスンみたいな感じ)

これもかなり素敵な記事でした! 英語が得意な方は読んでみてください。

この記事では私が訳し抜粋して紹介します。

 

1.色を恐れないで

まず1つ目は「色を恐れないで」ということ。

物語の始まりから顕著なんですが、ミアと彼女の友人達は基本的に原色! 原色! 原色! オンパレード。黄色や青、赤、緑など目が覚めるような色味を好んで着ます。

途中でパーティーに向かうためミュージカルのように歌って踊る部分があるのですが、「Someone in the crowd could take you where you wanna go」という歌詞があります。

意味としては「それを見た誰かがあなたが行きたい場所に連れていってくれる」みたいな感じ。目立つのを恐れる必要はないんです。

 

2.ファッションはお金じゃない

ミアが物語序盤で着ているのはほとんどがストリートファッションです。

メアリー・ゾフレスは stylish doesn’t have to break the budget ―― つまり、スタイリッシュで財政難になる必要はまったくないって言ってるんですよね。

お金をかけるだけがファッションではないって考えは本当に同意! 実際、ミアのファッションはかなり可愛いです。プチプラでもおしゃれになれるって勇気がもらえます。

 

3.新しいものと古いもので流行をつくる

ヴィンテージだけで揃えたり新しいものだけでコーディネートしたりするのではなく、ミックスすることで最新のファッションが生まれるとのこと。

映画で言えば50年代風のホルターネックドレスにはあえてミニマルなかかとのシューズを合わせたシーンがあげられます。

 

4.スーツはドレスよりも輝くタイミングがある

ミアがストライプのスーツにシルクのシャツ、目が覚めるようなレッドリップで登場する勝負シーンがあるんです。

女性らしいワンピース姿もいいですが、ここぞという勝負シーンでドレスアップするときはスーツだからこそ引き出してくれる魅力もあるかもしれません。

一般的なイメージをこえて自分が最も輝ける服装を選ぶこと――それがファッションを楽しむポイントの1つなのかもしれません。

 

5.フラットシューズと代えのシャツは必需品

これは映画とかけている部分があると思うのですが、いざという時のためにフラットシューズと代えのシャツは必需品!

よくヒールででかける日に替えのパンプスを持ち歩く人もいますよね。(私もOL時代にしてました……!)

ミアとセブが初めてまともに会話をするときに、言い合いみたいな感じ靴を履き替えダンスをするんです。そういうここぞというタイミングが人生にはあるから機能性と可愛らしさ、どっちもファッションには求めたいですね。

 

涙せずにはいられないラスト

どうして私がここまでこの映画をごり押しするのかって、とにかくラストがとんでもなくよかったんです。

あんまりネタバレするのも申し訳ないのでふんわり伝えますが、最後に「もしあの時こうしていたら」とか「仮にあれを伝えていたら」というたくさんのifがミュージカル形式で流れるんです。

 

そういうifって現実でもすごく考えてしまいませんか?

「もしあの人にちゃんと好意を伝えていたら」、「仮にあの時にあの行動をしていたら」なんて、夢をおいかけたりどうしようもない恋をしたりすればするほど、そういうifの話ってたくさんでてくると思うんです。

 

でも、現実にはたった1つの選択肢を選んだ2人がいて、幸せをちゃんと掴んでいて……。賛否両論あるかもしれないですが、私は2人は幸せだったと思うんです。

だからこそ物語はちゃんと終わるし、ふたりは別のifを探そうとしなかったんだと思うんですよね。

 

人生において泣ける映画ベスト5に入りました

結論、ラ・ラ・ランドは人生において泣ける映画ベスト5に入りました。

こんなに綺麗に伏線をはる映画はそうそうないと思う。俳優さんはもちろん脚本家の方や監督などかかわった皆さんに脱帽です……!

服好きな人から見ても元気をもらえるラ・ラ・ランド。まだという方はぜひ見てみてください!

 

 

ABOUT ME
中馬 さりの
1992年、東京生まれ。旅する物書き。プロモーション用小説の執筆、旅行雑誌への寄稿、編集プロダクションLILYPRODUCTSの代表、Webサイト運営などで生きています。小説はnoteで、旅暮らしの様子はYouTubeで発信中。