「あのモノグラムで有名なルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のメンズ アーティスティック・ディレクターが交代!」

そんなニュースがファッション好きのタイムラインを網羅したのは覚えていますか?

 

わたしもアパレル界隈で働くまでは馴染みがなかったのですが、ブランドって店名みたいなもので中の人は変わることもあるんですよね。

店長やスタッフが変わるように、デザイナーやディレクター、プレス(広報担当)、パタンナー(服の設計図をつくる人)が加わったり、卒業したりしているんです。

(まあ、ルイ・ヴィトンでいえば創設者は1892年に亡くなっているし、そりゃそうなんですけどね。改めて言われると「確かに……!」ってなりませんか?)

 

ただ、世界的ブランド ルイ・ヴィトンのメンバーなんてそうそうなれるものじゃないですし、前任のキム・ジョーンズは2018年でトータル7年も携わってきていたのでこのニュースは日本でも色んなところで挙げられてましたね。

 

今日、お話したいのはそんな紆余曲折をへて新しくアーティスティック・ディレクターになったヴァージル・アブローの話。

個人的な偏見と見解がたくさん詰まっている記事だから、面白半分で読んでね。

ヴァージル・アブローの発信マインドが参考になりすぎる

新しく就任したヴァージル・アブローは、もともと建築の知識があって、カニエ・ウェストという音楽プロデューサー兼ファッションデザイナーのパートナーとして活躍。

ある日、youtubeにあげた動画に「その服は買えるの?」とセレクトショップから問い合わせがあり、あっとういうまに有名に。その後はブランドを立ち上げてパリコレにでたり、DJ活動も継続したり、とにかく活躍しています。

 

そういう経歴もじゅうぶん華やかなんだけど、個人的に注目すべきは彼のSNSなどを使った発信力・PR力。

youtubeでのチャンスをがっつり掴んだところもそうだけど、彼の自己アピールは勉強になるなあ……と思うところばかりなのです。

ルイ・ヴィトンを投稿して先輩からエールをもらう弟的かわいさ

まずね、ヴァージル・アブローは正式発表前に自分のインスタグラムでルイ・ヴィトンのトランクの写真をUPします。

今でこそ服やコスメなど色々と手がけるルイ・ヴィトンですが、もともとはトランク屋さんですからね。起源でもあるトランクをUPする――色んなブランドとコラボをしてきて、それぞれの歴史を重んじているヴァージルなりの経緯だったのではないかなって思います。

その投稿を見たキム・ジョーンズ。「Congratulation to to my friend Virgil !!! Love and respect 」ってコメント付きでふたりのツーショットを投稿したんです。意味は「おめでとう友人のヴァージル!愛と リスペクトを」みたいな感じだとか。

 

これを見て、ヴィトンのファンはすごく安心したと思うんですよね。

だって、前任のキム・ジョーンズは7年もルイ・ヴィトンを引っ張ってきたんですよ。コアなファンであればあるほど、キムのことも応援していたはず。そこで急にくる交代宣言です。

もちろんヴァージル・アブローのつくるコレクションも楽しみ。がんばってねって気持ちはある。でもさ、キム、あなたの作った今期のコレクションもめちゃくちゃカッコ良かった――そんな、複雑な心境だったんじゃないかと思うんですよ。

 

SNSって応援してくれる人と繋がれるもの。

だからこそ、ファンが知りたいだろう情報を飾らずに投稿するふたりをすごく素敵だなって思いました。

同時に、これからヴィトンの歴史を紡いでいくうえで「ここから始まった」って目印になる、時間がたった後も読み返したくなる投稿をしていることもスゴいなあって感じましたね。

コレクション発表前に自分で服を見せびらかしちゃう度胸

さらにさらに、ファッションの祭典「メットガラ」でのこと。

メットガラはファッション界のアカデミー賞とも呼ばれる大きな祭典で、セレブとか人気のクリエイターとか、モデルさんとかが参加するんですよね。

もちろんファッションメディアの取材もがっつり入るから、伝統的なブランドは仲良しのVIPに着てもらうし、みんなとびきりのお洒落をするわけなんですが……。

 

ヴァージル・アブローは、自分がヴィトンのアートディレクターになって初めてのコレクション(しかも2019年SSの未発表のもの)を着て参加。キレイな白のセットアップで登場しました。

もう1度いいますね。彼が着たのは未発表のコレクションなんです。

まあ、本当に仲良しのセレブが未発表のコレクションを着用することはあるけど、それでもだいぶ稀な話。たしかに、色んなメディアが注目しているメットガラだからこそ、PRするには格好の場なんですけどね。

そもそも自らアピールしたく見せびらかしたくなるほどのファッションをつくるって相当な力がないと難しいですよね。それだけの自信と愛着のあるアイテムってことだし。

発信力や影響力っていうとテクニック的な部分に目がいくけど、まずは自分が「ぜひ見て」って言えるものをつくることからだって思いました。

 


今回はルイ・ヴィトンの新しいメンズ アーティスティック・ディレクター「ヴァージル・アブロー」について感じたことをまとめてみました。

作るだけじゃなく伝える&売ることもする時代だとはいたるところで耳にするけど、ヴァージルほど最前線で楽しそうにそれをしている人ってなかなかいないんじゃないでしょうか。

彼にならって、わたしも自らアピールしたくなるものをつくる&まわりの優しい人達と対話していきます!

 

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中馬 さりの

GALLERIA EDITOR
1992年、東京生まれ。文化女子大学にて服装学部にてファッションビジネスを専攻しながら、アパレル販売員とハイブランドの査定スタッフを経験。 卒業後はアパレルメーカーで広報を担当。2016年からフリーライターとして執筆業を開始。多数のメディアへ寄稿をする。 いまは大阪と東京の二拠点生活を満喫中。好きなものは夜ふかしと旅とお洋服。